「アイス」 作者名
妹がアイスを手に泣いていた。「どうしたの?」って聞いたら、だまってアイスを差し出した。ぺロッてなめたら甘じょっぱい味。今の妹の気持ちかな。
「作文『わたしが生まれるとき』」 作者名
「ある日、お母さんはお父さんを食べてしまいました。おかげで、わたしは元気に生まれてこられました」「よく書けていますよ、かまきりこさん」
「トカゲの冬予報」 作者名
トカゲはいつも石の上。ある日トカゲがクマにいった。「冬ごもリはお早めに」「なんで?」「今年は石が冷たくなるのが早いからさ」「ふむ ふむ」
「あこがれの先生に」 作者名
初めてのダンス教室。先生が最後に「がんばろうね」と右手を出してくれたので、「ハイ」と握手したら、先生が「あ、そうじゃなくて名札を返して…」。
「世界の終わり?」 作者名
目がさめたら世界が変わっていた。空の青も葉っぱの緑も椿の赤も消えている。背中の毛をさかだてたら、ママさんが笑った。「ミケ、これは雪。初雪よ」
「ケンカ」 作者名
キツネとケンカをしたタヌキは、食堂でキツネうどんを注文。すると隣でキツネがタヌキそばをズルズル。二匹は顔を見合わせニタリ。仲直りしました。
「ヌケガラ君のきもち」 作者名
せみのヌケガラ君、「さびしいな」。ありんこが、「中に入っていーい?」「いいよ」こちょこちょ。「ふふ。くすぐったい」とヌケガラ君、にっこり。
「太巻きずし」 作者名
目を覚ますと、太巻きずしの具になっていた。身動きがとれない。これでは学校に行けない。「つべこべ言うと、食べちまうぞ」母に叱られて、ふとんを出た。
「カメたちの夢」 作者名
カメは夢みている。いつかカメムシになって空を飛ぶことを。カメムシも夢みている。いつかもっとくさくなって、スカンクになることを。
「その手は?」 作者名
心霊スポットでお兄ちゃんと手をつないでいたら、前からお兄ちゃんが歩いてきて、ぼくに「ひとりで大丈夫だった?」 つないでる手が、あ…冷たい。